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zoom RSS 春宵抄

<<   作成日時 : 2017/03/17 07:45   >>

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 昔々まだ黄砂の存在も知らなかった頃の春霞というロマンティクな言葉に、ぼんやりと夕空に浮かぶ月を眺めて春の訪れに妙に大人ぶった気持ちで自分の未来を思い描いたことを思い出した。春はそういう季節、子供から少年になりつつある頃は、ちょうど木々や草花の芽がこれから自分が輝く夏の季節に向かって思う存分世界を広げていこうと、胸を膨らませる季節。そんな時にだけは自分の置かれた環境や身の上をしばし忘れて遊ぶことができた。今もこの年くらいの子供たちは同じように夢を見ることがあるのだろうか?。あれからすでに何十年月日は矢のごとく私の傍らを通り過ぎて、今目の前にあるのは頭髪が薄くなり目の周りには深く刻まれた皺をもった老人の姿、今でもその気になりさえすればあの日の自分に瞬時に戻ることができるのに、この変わり果てた姿はどうしたわけか、その姿を納得して満足しながら眺められる男はいったいどれほどいるのだろうか。色々自分に言い聞かせたのちしぶしぶ受け入れることは出来る、が心の底から納得は出来ない。ここに至るまでの長い人生が果たしてどれほどの意味を持つのか、そう自問してみると、確かに否定しても何の意味もないしできるものでもない。自分に言い聞かせる為だけの長い時間だったとしたら、たったその一言の為だけに生きてきたのか、俺はここまで生きてきた、と。まるでモーパッサンの言葉であるかのような人生。子供のころ夢見た人生とこんなにもかけ離れた現実、目の前の老人は本当にあの時の少年なのか?。もう確かめようもないが、数十年の時間、まるで玉手箱を開けた浦島太郎の見た夢であるかのような、春の宵。

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